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中央執行委員長メッセージ

全員参加の
「安全衛生強化月間」がスタート

中央執行委員長 濱田 圭

みなさん『ご安全に』。毎年2月と7月は、「安全衛生強化月間」となっています。「安全」の取り組みは、何よりも優先される活動です。定期入社やキャリア採用の組合員にとって、労働組合がよく口にする『ご安全に』のあいさつ言葉は、まだまだ馴染みが薄いかも知れませんね。そこで、『ご安全に』の言葉に込められた思いを改めてお話しします。

「ご安全に」の語源は、もともとドイツの鉱山で使われていたあいさつ「Glückauf」(グリュックアウフ)・・・・ご無事で」が発祥といわれています。このあいさつは、昔からドイツの鉱山では常識であったようで、一度鉱山に入ったら日常世間の感覚を断ち切って安全に徹するために、「こんにちは」といった言葉を一切使わないで「ご無事で」を使っていました。こうした習慣は日本の炭鉱にも伝播し、明治時代にはドイツ語のまま使われ始め、大正時代には「ご安全に」と訳されたと言われています。そして、炭鉱では家庭でのあいさつも「ご安全に」が使われていました。こうしたルーツをもって「ご安全に」が定着したとのことです。

昭和26~27年にかけて、鉄鋼会社の方がドイツのジーガーランド地方の首都ジーゲンにあるロールメーカーでの実習中、鋳鉄用鉄鉱石の鉱山に入り、坑内でさく岩機を使用する3名の坑夫に出会いました。「GutenMorgen」(おはよう)とあいさつしましたが返事がありませんでした。大声で「Morgen」と怒鳴りましたが、相手は振り向きもしませんでした。そばにいたスタイガー(作業長級の意)から「Glückauf」と言うようにとの忠告に、早速「Glückauf」と呼びかけますと「Glückauf」と振り向き、二人目も同様であり、三人目の坑夫も既に予知していたかのごとく、先方から「Glückauf」と挨拶が返ってきたといいます。さらにジーゲンでは、家庭に入っても挨拶はすべて「Glückauf」であるということを知り感銘を受けたようです。

この方は帰国後、日本でも炭鉱では家庭のあいさつ言葉も「ご安全に」であること聞き感嘆されました。そして、鉄鋼会社の自身の職場に戻り、安全の啓蒙として「ご安全に」のあいさつを提案することになります。炭鉱の体験を持つ社員に相談したところ、やはり戦時中の炭鉱で「ご安全に」のあいさつを交わしていたということで、その職場からの盛り上がりによる「ご安全に」運動が始まりました。その後、製造業や建設業を中心に日本全土に拡大され今日にいたっています。

「ご安全に」これこそ私たちの合言葉として普及を図り、大事にしていきましょう。 また、梅雨の時期となりました。梅雨入りが遅かったように思いますが、梅雨明けの時期は、ほぼ平年並みと予想されています。この間の雨量も平年並みの見込みだそうで・・・・。ということは、大雨の日が多くなることになります。線状降水帯という言葉も当たり前のようにニュースで流れる昨今、自然災害に対する日頃からの備えも重要です。その一助として、労働組合が推進する共済の中から「住まいる共済」(こくみん共済coop)への加入も検討いただきたいと思います。

ご安全に