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中央執行委員長メッセージ

AP24春季取り組みを振り返って

中央執行委員長 濱田 圭

AP24春季取り組みは、2022年から引き続き、消費者物価が高騰するなかでの労使交渉となりました。私たちが加盟している「基幹労連」は、加盟組合が属する部門(鉄鋼/船重/非鉄)と、部門内の各部会のまとまりを重視した要求構築手法をとっています。『日本経済の再生、産業企業の発展と職場全体の活力の発揮、組合員の生活の安心・安定、働きがい、やりがいに資する賃金をはじめとする、労働条件を魅力あるものにする必要がある』との全体方針のもと、私たちの属する船重部門(総合重工部会/機器部会/エンジニアリング部会)は、「18,000円の賃金増額(ベア)に取り組む」との統一要求を掲げ、川重労組は、2月9日に「18,000円の賃金増額(ベア)」を会社に要求しました。

取り巻く環境で重視すべき課題は、『生活の質の維持・向上』と『労働人口減少社会での人財の確保・定着』です。2022年の物価上昇分は、昨年のAP23賃金増額(ベア)14,000円(要求通りの回答)で補ったものの、以降も生活必需品の物価上昇が際立っていました。総務省によると、2023年は前年比で6.2%上昇と、比較できる1981年以降で最大の伸びを示し、このままでは『生活の質』を維持することは不可能と言えました。加えて、人財獲得競争はより一層激化し、労働力の流動化もあり、人財の確保・定着のためには「人への投資」の必要性がより求められていました。

これらを背景に、18,000円の賃金増額は、「大変革期を生き抜く現場力の強化」、「働く者の生活の安心・安定の確保」、「安定的・持続的な成長の実現」に必要な原資として、川崎重工・総合重工系産業はもとより、日本経済全体が好循環に転換するための原動力になることを強く訴え続けました。交渉での会社の対応は、当初から労組の主張を前向きに捉え、物価の高騰に生活不安を抱く組合員・従業員の実情に十分理解を示しつつも、具体的な金額水準が提示されない状況でした。ただし、総合重工系7労使の真摯かつ熱の入った交渉と、その内容を産業界として共有し、同じ課題として解決を図る最大限の取り組みを行った成果として、3月13日の回答指定日には賃金増額(ベア)18,000円を引き出すに至りました。また、カワサキモータースの一時金の回答も労組要求どおりとなりました。AP24会社回答は、独自要求項目も含め組合員の期待に十分応える内容であり、組合員・従業員の「生活の安心・安定」、「働きがい・やりがい」と「働きやすさを実感できる職場環境」などにつながるものです。

AP24春季取り組みの終結に向けて、3月28日の第66回臨時大会(議題の関係で中央委員会を大会に切り替え)で中央執行委員会の態度(会社回答の了承)を提案し、臨時大会代議員による審議の結果、満場一致で可決・承認されました。今回の会社回答を糧として、これまでと同様に、全組合員・従業員が一丸となって、2023年度業績見通し(2月9日公表値)の必達と2024年度経営計画の完遂をめざし、生産性の向上、競争優位性の確立や適正な価格転嫁の推進、新事業・新市場の創出などにより持続的な企業価値向上に尽力していきましょう。

ご安全に